ご観戦ありがとうございました。 HP JAPAN WOMEN‘S OPEN TENNIS 2011 大会最終日 報告
昨夜までの激しい雨が嘘のように秋晴れとなった大阪市・靭テニスセンター。コート周辺の木々の緑が深くなりコートに咲く紫の花が新鮮だ。最終日の今日、会場は多くの観客の皆様をお迎えして賑やかな一日に。明日からスタートする大阪市長杯世界スーパージュニア選手権に出場する世界各国からの選手やコーチたちも熱心に観戦していた。本日の試合進行は、昨日に行われる予定であったシングルス・ダブルスのの準決勝が行われ、決勝戦へと。
シングルス準決勝記録
サマンサ・ストーサ選手(オーストラリア) 76(5) 36 63 鄭 潔選手(中国)
マリオン・バルトリ選手(フランス) 61 76(5) アンゲリク・ケルバー (ドイツ)
ダブルス準決勝
バニア・キング(アメリカ)/ヤロスラワ・シュウェドワ(カザフスタン) 60 62 ラケル・コップスジョーンズ(アメリカ)/アビゲイル・スピアーズ(アメリカ)
ダブルス決勝
クルム伊達公子/張 帥選手ペア 75 36 11.9(match TB) バニア・キング(アメリカ)/ヤロスラワ・シュウェドワ(カザフスタン)選手ペア
クルム伊達/張選手ペアは一回戦から勢いがみなぎっている。ダブルスで優勝をすると固めたクルム伊達選手。昨夜は10時30分ころまでダブルスを戦った後のため、疲労度はどうかと思われたがファーストポイントから動きは鋭く、張選手との息もぴったりだ。ダブルスの名手のキング/シュウェドワ選手ペアに挑むためには、相手に負けないパワーとスピード、そして、粘り強いストロークの応酬の中でチャンスを素早く看破してポーチに出る戦術がうかがえる。これがゲームの要所でうまくかみ合いポイントを稼ぐことになった。ベースラインから鋭角で深いストロークを放つクルム伊達に加えて、張選手の強烈なトップスピンボールが相手を苦しめる。しかし、キング/シュウェドワ選手ペアもより鋭さを発揮し、観衆からは両ペアに大きな喝采が飛び交う。スピードとスリルに満ちた久々のダブルスを見せてもらった。第一セットはゲームを取り取られて4-5とリードされたクルム伊達/張選手ペア。次のゲームをブレイクして5-5に。動きがすごい。サイドラインの観客は左右に振る顔の速度のピッチが上がるほどだ。そこから一挙に7-5となる。
第二セットは「 I (アイ)フォーメーション」を互いに用いてセットの前半を競り合うもキング/シュウェドワ選手ペアはダウンザラインでのポイントを重ねながら6-3でセットを奪い返す。スリルはここからますます迫ってくる。マッチ・タイブレークに。一ポイントごと握るこぶし、前のめりの姿勢の観客が目立つ。静まり返ったセンターコート。息を飲む。8 4と引き離すクルム伊達/張選手ペア。ここから一気にリードで終了かとおもわれたが、8 5,9 5,,,,,,,,,9 8,ついに9 9と並ぶ。あと2ポイント。「勝手くれ、伊達」の声々。応えて10 9。ついにキングがダブルフォールトし11 9でクルム伊達/張選手ペアがタイトルを手にした。
チャンピオンスピーチでクルム伊達選手が、これからも張選手とダブルスを組みさらに優勝を目指したいと語ったことは印象に残る言葉だった。久しぶりに届いた明るく希望に包まれたコメントだった。大阪のファンだけでなく東日本大震災の地にまで言葉が届けとレポートしたい。
シングルス決勝
マリオン・バルトリ選手 63 61 サマンサ・ストーサ選手
やはり強かったバルトリ選手。つなぐボールなど見当たらない。サーブもパワフルだった。大阪に来たのはジュニア時代。大阪市長杯世界スーパージュニア選手権に参加したことからだ。だから浪速っ子に馴染みの選手。いつか優勝してもらいたいと願う選手の一人であった。ジュニア時代から大会の数日前に会場に到着し、父親が手でトスするボールをベースラインのずっと前に構えて打ち続ける少女が、今日も練習コートで同様の方法でびっしょりと汗をかいて寡黙にトレーニングを積んでいる。当時、ゲームではリターンもサーブライン近くに構えて極めて高い打点からボールを打ち続けていた。その長い積み重ねが、つないでいるボールを見つけられないほどの「パワー+深さ+角度をミックス」したストロークになっている。ストーサ選手は手をこまねいているだけの感。ただし、かばうのではないが、準決勝の第一セットの途中でストーサ選手は右足をトリートメントしてもらっていていつものようなフォアハンドのダウンザラインが決まらない。そこにバルトリ選手のスピードボールが弾丸のように飛来してはどうしょうもないといったゲーム展開に終始したようだ。それだけ、バルトリ選手の今日のパフォーマンスはベストだった。躍動あるバルトリ選手に多彩なショットを見せてくれるストーサ選手のバトルは少し垣間見れたほどだった。一つの大会を最後まで戦わなければトップになれない選手の生活がいかに熾烈なものかを私たちは知っておかなければならない。明日の夜、クルム伊達選手らは海外の大会へ旅立つとチャンピオンスピーチであった。年間54あるツアーに20大会近く出場しなければランクを維持できず上げることも難しいテニス界。その中にあって、全米オープンの優勝以後にも素晴らしく力強いテニスを展開してくれるアスリートをもっと私たちは大切にしなければならないと思う。
ご観戦いただきました皆様には心より御礼を申し上げます。今回は特に雨天に悩まされた大会でもありました。昨夜は午後八時に江坂テニスセンターに移動し、深夜に及ぶまで試合を進行させなければなりませんでした。雨天の中、長時間お待ちいただきながら靭テニスセンターで残る試合をキャンセルさせていただいたことにより、大変なご迷惑をお掛けいたしましたことに対して心より深くお詫び申し上げます。今後も、プレイヤーの皆様に、ファンの皆様のご期待に添えるよう、大会運営主管者であります大阪府テニス協会は、皆様方から頂きましたご叱責やご意見にお応えできますよう努力を重ねてまいります。
来年もまた、大阪市・靭テニスセンターに素晴らしいプレイヤーを招き、錦秋のなにわスポーツイベントをお楽しみいただきますようお願いいたします。








